伊唐大橋
・鹿児島県出水市長島町 ・伊唐島 ・八代海
出水から国道3号線を鹿児島方面へ向かうと東シナ海へ出る直前(阿久根市街地手前)の三差路があり、ここを右折して黒瀬戸・長島を通過し伊唐島に渡る橋が「伊唐大橋」である。
途中の脇本に宗像三女神を祀った宮崎神社がある。
宗像三女神とは、宗像氏を中心とした海人族(あまぞく)、玄界灘の航海民が崇拝した地方神です。中国・朝鮮半島との交易・交流の増大などを背景として、宗像氏と大和朝廷との関係が親密になるなかで、しだいにその信仰を拡大させていきます。
三女神は現在それぞれ、玄界灘に浮かぶ孤島・沖の島の沖津宮(おきつみや)、より海岸近くの大島にある中津宮(なかつみや)、海岸の田島にある辺津宮(へつみや)に鎮座しています。三宮を総称して宗像大社と呼びます。ちなみに本年(2017)に世界遺産として登録されました。
宗像大社の御神木と御神紋は楢(ナラ)である。宗像大社発行の{むなかたさま}によると、宗像大社本殿右側奥に樹齢550年と言われる楢の木の御神木があります。古絵図などに描かれ、御神縁との深さが感じられます。他に御神木・相生の樫があります。この樫の木は、高宮へ行く鎮守の杜の道にあります。別々にでた芽が互いに結合し、一つの木になったものです。
このように鹿児島県薩摩川内市・市比野、奈良県天理市、福岡県宗像市と地域は異なるが宗像と関係するところにイチイ・ナラ・カシといった同族の樹木もまた関係しているのである。
出水市にある加紫久利神社もまた樫栗(カシクリ)ではないかと思う。出水・加紫久利神社にもコナラの巨木があった。他に市来郷大里村の厳島神社、出水郡長島町の獅子島にある弊串(ヘグシ)神社、冒頭の阿久根市脇本の宮崎神社等、宗像三女神に関連する神社がある。出水、黒之瀬戸、市比野周辺に集住した一族がそれぞれ奉斎した神々がこの宗像三女神だったのではなかろうか。
つまり、出水~市比野一帯が宗像三女神の原郷と考えられるのである。
(”ブログ”・「宗像三女神の名義と原郷」より抜粋)
宗像一族による中国、朝鮮半島との交易・交流の増大に伴って次第に北上することとなるが、この島(伊唐島)を拠点としたことも考えられる。中国、朝鮮半島と関わりのあった地名に「唐」が含まれている場合が多く、それが後の伊唐島であり、その地名を冠した「伊唐大橋」である。
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